言語処理学会第16回年次大会開催
はじめに
3月8日(月)に「言語処理学会第16回年次大会」が開催されます!言語処理学会年次大会って何?という方もいらっしゃると思うので簡単に解説いたしますと,1年に1回主に自然言語処理学に関するたくさんの発表や講義が行われるカンファレンスです.
自然言語処理学というとなんとくむずかしそう...ってイメージがあるかもしれません.しかし,かならずしも専門的な知識がなくても楽しめる内容がたくさんあるのです!例えば,文書検索やレコメンデーション,テキストマイニングなど最近話題の技術は自然言語処理学の研究成果が多く使われているのです.また,最近では多くのウェブアプリケーションなどでも自然言語処理学の研究成果が使われています.今大会でもこれら加え,とても興味深い研究成果が多く発表されます!
以下に今回の開催内容を書きましたが,これだけのボリュームがあっても,なんと今大会は参加料が無料なのです!ぜひこれを機に自然言語処理学にご興味を持って参加していただける方がいらっしゃいましたら幸いです!
大会開催概要
言語処理学会第16回年次大会は情報処理学会共催創立50周年記念全国大会と共催で開催されます.
- 日時 2010年3月8日(月)〜3月11日(木)
- 場所 東京大学 本郷キャンパス
詳しくはこちらの大会ウェブページをご参照ください.
※ご参加いただく際はなるべく事前予約をお願いいたします.
今大会はミクシィも様々な自然言語処理技術を利用させていただいていることもあり,協賛させていただくことになりました.
プログラム概要
今大会も幅広い分野の発表が行われます.概要の図を示します.
場所や時間を示した詳しい情報はこちらの言語処理学会第16回年次大会 プログラムをごらんください.
招待講演
普段ほとんどお話を聞けるチャンスのない著名な先生による講演です.とても貴重な経験になることと思います!今大会では以下の招待講演が実施されます.
- 「これからの言語処理とその応用」
長尾 真氏 (国立国会図書館 館長) - 「総合学術オントロジー」
橋田 浩一氏(産業技術総合研究所 サービス工学研究センター 次長) - 「MASTARプロジェクト&ALAGINフォーラム」
中村 哲氏(情報通信研究機構 知識創成コミュニケーション研究センター 副研究センター長) - 「The Challenge of the Multicores」
Fran Allen女史(IBM名誉フェロー) *チューリング賞受賞者
詳しくはこちらのPlenary sessionをご参照ください.
チュートリアル
3月8日に開催されるチュートリアルでは,自然言語処理学に関する多くの功績を挙げられている先生や,実社会で自然言語処理を応用している企業の方などによる研究紹介や技術紹介を講義していただきます.各講義とも基礎から応用まで詳しく解説していただく内容となっているので,ぜひご興味がございましたらご参加ください!
「自然言語処理と関連領域」
「自然言語処理と関連領域」では主に実社会での需要を考慮したトピックが選ばれています.自然言語処理学の技術を実社会での諸問題にどのように応用するか,また,実社会ならではの出てくる問題についても解説していただきます.自然言語処理と関連領域では以下のご講義を行っていただくことになっています.
- 「推薦システム -機械学習の視点から-」
神嶌 敏弘氏(産業技術総合研究所) - 「並列テキスト処理のための環境・ツール(EC2上での並列処理体験付き)」田浦 健次朗氏(東京大学)
- 「はてなで利用している言語処理技術」
伊藤 直也氏(株式会社はてな)
「自然言語処理学基礎論」
「自然言語処理学基礎論」では主に学術的な要素が強い自然言語処理学のトピックについて講義していただきます.自然言語処理学に関する研究者の皆様が今後研究にお役立ちできるような構成を目指しました.自然言語処理学基礎論では以下のご講義を行っていただくことになっています.
- 「超高速テキスト処理のためのアルゴリズムとデータ構造」
岡野原 大輔氏(東京大学) - 「NICT発の言語資源−ALAGINフォーラムの活動を中心に−」
風間 淳一氏,橋本 力 氏,山田 一郎 氏(情報通信研究機構) - 「『現代思想』と言葉――脳・認知から遠く離れて」
影浦 峡氏 (東京大学)
チュートリアルに関する詳しい情報はこちらのページをご参照ください.
まとめ
今回は言語処理学会第16回年次大会について紹介させていただきました.普段あまり学会発表などを聞きに行く機会が無い方もぜひこれを機に参加していただけたら幸いです.特にテキストマイニングや検索エンジンなどの業務に携わっている方は,新しい知見が得られるかもしれません.今年は情報処理学会全国大会と共催ということもあってとても盛り上がると思います.私も開催に携わっている身ではあるのですがとても楽しみです.