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TECH.C. 特別講演 登壇レポート 『最新のスマホアプリ開発の現場を支える技術』

※こちらの記事は過去のブログから転載したものです。

こんにちは。XFLAG スタジオ 人事戦略室のキャリア採用担当です。
XFLAG スタジオへの理解を深めていただくために発信している"XFLAG スタジオ活動報告"。

 

今回は、東京デザインテクノロジーセンター専門学校(以下、TECH.C.)様にお声掛けいただき、「卒業・進級制作展」の特別講演にXFLAG スタジオのテクニカルアーティストとエンジニアの3名が登壇した様子のハイライトをご紹介します。

はじめに

講演は90分間、テーマを「最新のスマホアプリ開発の現場を支える技術」として2部構成で企画しました。
第1部はエンジニアによるモンスターストライク(通称モンスト)のギミック実装について、第2部ではテクニカルアーティスト2名による対談で、テクニカルアーティストの役割や取り組みなどの紹介をしました。

 

当日の聴講者は、在校生、4月に入学を控えた高校生、一般の方々など80名超。ホール内のオープンスペースにステージが組まれていたため、通りがかりに立ち止まって聞く方々も多くいらっしゃいました。

第1部:モンストのギミック実装のお話

モンストシステムグループのクライアントエンジニア 角が、まずは「XFLAG スタジオ」と「モンスト」の簡単な紹介をしました。普段からモンストを楽しんでくださっているという方もいたおかげで、少し緊張がほぐれた様子。

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本題

そして本題であるギミック実装の話題に移ります。
資料はこちら。角が実装を担当したギミックの一部もご紹介しています。
(当日の資料から動画やスライドを一部省いたものとなります)

▲冒頭はXFLAG スタジオとモンストの紹介です

 

『案件が実装されるまでの大まかな流れ』はゲーム制作の一般的な流れに近いため、ご存知の生徒さんも多かったようです。ですが、毎回スムーズに進むわけでもなく、当然ながら周りへの影響も考えなければなりません。案件によってはいくつもの困難に直面するものだと、以下のような話もしました。


  • 新しく追加するギミックが既存の動作に影響を及ぼさないよう要注意。
  • 長規模な開発では、過去に実装された処理コードから意図や挙動を読み取る必要がある。
  • 仕様通りの実現を大前提にし、意図を理解してその一歩先を目指す。
    →XFLAG スタジオは「ユーザーサプライズファースト」つまり「お客様にまだ見ぬ驚きを届けること」を大切にしているため、「どうしたらユーザーさんが驚くか?」とワクワクを届ける視点が必要。ギミック実装もその姿勢で取り組んでいる。
  • コラボ案件では、コラボ先のキャラクターやその世界観がとても大事。その作品を研究しよく理解した上で取り組む。

 

普段なかなか話すことのない細かな内容でしたが、深く頷きながら聞く学生さんが多くいらっしゃったのが印象に残りました。

 

また、企画グループからの発案ではなく、エンジニアの角自身が提案したギミックが実際に採用された(※)、というエンジニアの枠にとらわれないXFLAG スタジオでの働き方についても話しました。
(※)角が考案したのはラグナロク神化の"フェイト・オブ・ザ・ゴッズ"!詳しくは資料をご覧ください。

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質疑応答の一部をご紹介

角が担当したとあるギミックについて、特定のケースを想定した質問がありました。(モンストをプレイしてくださっている方ならではの踏み込んだ質問!)


「(キャラがジャンプするという演出があるギミックにおいて)画面の上部でジャンプすると画面外にキャラが見切れてしまいそうですが、そのような場合はどうするのですか?」という質問でしたが、それに対しては「ジャンプして見切れる動きは納得できる挙動なので、問題なかった。」と回答。


更に、「問題となるケースが発生した場合も、企画グループやVFXチームと何度も相談して決めます。実際にユーザーさんがプレイした時にどう感じるのかは勿論のこと、修正方法やその修正にかかる時間、影響のある範囲なども材料に判断します」と補足しました。

 

XFLAG スタジオでは職種間の壁はなく、常に「ユーザーサプライズファースト」のために、様々な職種が心を一つにして取り組んでいることが伝わっていると嬉しく思います。

第2部:XFLAG スタジオを陰で支えるテクニカルアーティストの役割と取り組み

続く第2部では、XFLAG ARTS テクニカルアートグループのマネージャー下田と長舩の2名が対談形式で話をしました。

Technical Artistについて。そしてXFLAG スタジオのサービスとの関わりについて。

Technical Artist(TA)とは?に始まり、XFLAG スタジオでのTAの取り組みを、実際の動画や写真、アニメ映像を交えて話しました。
中でも「XFLAG PARK」での「モンストークライブ」については当日の舞台裏を詳しく紹介。聴講者の方の中には、実際にXFLAG PARKに足を運んだことがあるという方もいらっしゃいました。
また、TAの活動はXFLAG PARKに限らず、モンストアニメやアプリなどXFLAG スタジオが提供するサービスのほぼ全てに関わっていることについても触れていました。

AR/MR技術研究について

続いて、技術研究について。
TAの全業務量を"10"とした場合、XFLAGで現状走っているプロジェクトサポートに対しては"8"、技術研究に対しては"2"の割合で取り組んでいるとの事。サービスの礎となる研究にも、継続して取り組んでいることを話しました。
※XFLAG スタジオのMR(Mixed Reality)への取り組みはこちらのレポートでも簡単に紹介しています。是非ご覧ください。

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今後の業界展望

最後に、今後の業界展望について、注目しているツールやAIを活用したアートワークなど実例を挙げながら話しました。


長舩は、Tokyo Houdini meetupの発起人として活動していることもあり、その有用性についても詳しく紹介しました。
※先日、弊社にて開催したTokyo Houdini meetup vol.1のイベントレポートも公開中です。

 

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質疑応答の一部をご紹介

「テクニカルアーティスト」というハイブリッドなポジションを今日初めて知った、という学生さんからは、下田・長舩それぞれにエンジニアリングとアートどちらを専攻していたのか?という質問がありました。それに対して長舩は、芸術工学専攻でCGプログラマからキャリアをスタートさせたと回答し、下田はアートを専攻していたと回答。

 

異なる分野を学んだ二人が今では一つのチームで活躍していることからも、新しい文化が次々に創造され、技術の進歩が加速していく今後においては、ますますハイブリッドな人材が求められるのではないかと思います。

 

自身の得意分野以外にもアンテナを広げ、新しい文化や技術をキャッチアップすることがとても大切だと、長舩・下田は締めくくりました。

最後に

講演に熱が入り、終了予定時刻を少し過ぎてしまいましたが、皆さま最後まで熱心に耳を傾け、講演後も登壇者のもとへ質問に来てくださったりと、真剣な姿がとても印象的でした。

 

今後もこのような機会を頂けましたら、またぜひ伺いたいと思います。

 

XFLAG スタジオで活躍している社員のインタビューを掲載しています。
ご興味がありましたらぜひご覧ください。
https://career.xflag.com/interview/